「なぜ、そんなことができないんだ。できないなら辞めてしまえ」

東芝本社で開かれていた「社長月例」と呼ばれる会議に、佐々木則夫社長(当時)の怒声が響いた。

同会議は各カンパニーや子会社のトップが社長に業績の進捗(しんちょく)を報告する場。社長時代に佐々木副会長が部下を糾弾する光景が当たり前になっていった。当時、会議に同席した幹部は「(佐々木氏は)完全に常軌を逸していた」と証言する。

社長月例は2時間程度行われ、各事業の責任者1人当たり20分の持ち時間が与えられている。早い場合は5分で終わるが、「佐々木氏はカンパニー長を1時間締め上げていたこともあった」(前述の幹部)。