韓国の李明博前大統領が2月に出版した回顧録で、在任中に北朝鮮が南北首脳会談開催の対価として金品提供を求めたと書いたことに関し、韓国紙の中央日報は16日、北朝鮮当局が対南関係担当部署を調査し、左遷や粛清された者もいると伝えた。

李氏は回顧録で、2009年秋に南北がシンガポールで接触した際に北朝鮮は100億ドル(約1兆2千億円)や穀物、肥料などを要求したと記した。

北朝鮮内部では、接触に参加した朝鮮労働党書記の金養建氏がトップを務める統一戦線部に対する調査が行われているという。回顧録によると、金氏は当時、韓国が要求に応じなければ「(自分は)死ぬことになる」と口にした。ただ金氏は最近も金正恩第1書記に同行しており、処分された形跡はない。(共同)